4.United93便(ペンシルバニア)関係


(8)墜落現場近くに「学習センター」完成(2015.10更新)
ユナイテッド93墜落地点近くの丘に「学習センター」がオープンしました。予算面や火災などにより難航しましたが、2015年の9.11に合わせてようやく完成したものです。建物のわきに展望台があり、墜落地点を遠望することができます。
墜落地点には犠牲者の遺品などが埋葬されており、関係者以外立ち入ることは出来ません。                

  
「学習センター」の入口とその内部(久下やちよさん提供)

(7)サンフランシスコ東部のユニオン・シティにU93便メモリアル落成(2008.3追加)
サンフランシスコ湾をはさんで東側に有るユニオン市にU93便のメモリアルが完成しました。これは同便の乗員・乗客のおおくがサンフランシスコ地区に縁が有る方々だったためです。メモリアルの欄に写真を掲載していますのでごらんください。                      
写真を見る

(6 )U93にちなんだバラ「フォーティーヒーローズ」 (2008.3追加)      アメリカ西海岸のシアトルは「マリナーズ」のホームとしてお馴染みですが、バラの街でもあります。バラの植物園のなかに「リメンバー・ミー」バラ園があって、9.11にちなんで開発された各種のバラが植えられているそうです。そのうちの「フォーティー・ヒーローズ」と言う種類のバラ苗が2006年に大阪府のご家族の所におくられてきました。 昨年(2007)その花が開き、このほどその写真をいただきましたのでご紹介します。 
(当ホームページのタイトル画はこの写真を加工したものです)    


5.映画「ユナイテッド93」について(2006.8)                
 アメリカで賛否両論を巻き起こした映画が8月12日から日本でも上映されることになり、現在各地で試写会が行われています。ペンシルバニア州のシャンクスビル郊外に墜落した同便のフライトをドキュメンタリータッチでえがいています。試写をご覧になった久下季哉さんのお母様は次のようなコメントを公表されていますのでご紹介します。     「自分、他人の区別なく命というものが軽んじられる事件が多い昨今、
一人でも多くの人々がこの映画を観ることで、今生きていることの大切さを感じとっていただければと、心から願います」                                            
監督・脚本:ポール・グリーングラス、  ユニバーサル映画.

試写会所感:ドキュメンタリ−にこだわりすぎて、観客には「同時多発」の全貌がわかりにくいものになっています。丁度本欄(1)に記したロングマンの「墜落までの34分・・・」が文庫化(光文社)されたので読んでから見るのも良いかも知れません。                    
 テロリストの冷静さや信仰心が充分描写されているのに対し、乗客、乗員側の描写が表面的で不十分です。映画の制約から、殺害場面や遺体の映像はありません。したがってかれらの残虐性が認識できず、乗客の混乱だけが目立つことになります。                 
  事件の関係者でない方には、間違ってもテロリスト側に共感されないようにお願いします。(そんな心配が必要な作品です)(KAZU)  


4.・/FONT>Oラウンド・ゼロにペンシルバニア、ワシントン関係パネル展示
                                (2006.1撮影)
(展示パネルの全面変更により、現在このパネルはありません)

 グラウンド・ゼロのフェンスに展示されたペンシルバニア(シャンクスビル)関係の展示。右より2列目、下から4人目に「TOSHIYA KUGE」
の名前がみえる。 
                             
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3.久下季哉さんの「いのちの木」母校・大阪府立北野高校に植樹(2004.10)



 
同期の仲間の呼びかけで、季哉さんの現在の年齢である24歳の樹齢のクスの木が、彼の守ったサッカーゴールの近くに植樹され、9月 11日には彼をしのぶ集いが持たれました。(その後、校舎近くに移植されたそうです。2015追記)                
 木の下のプレートには次のように書かれ若い人たちに語りかけています。 以下はプレートの全文です。                      

いのちの木
2001年9月11日、米同時多発テロにより久下季哉君(111期)は20歳という若さでその生涯を閉じました。 彼の搭乗したニューヨーク発サンフランシスコ行きユナイテッド航空93便は、離陸して1時間後にハイジャックされ、ピッツバーグ近郊に墜落しました。大志を抱いて海を渡り、一時帰国の途についたところでの不幸でした。  この木が戦争やテロについて、また「いのちの大切さ」について考える一つのきっかけとなり、平和の礎となることを祈ってここに植樹します。                    
                                   2004年9月11日 有志一同


 なお、植樹にいたる経過等については同校同窓会である「六稜同窓会」のホームページに詳しく掲載されているのでご覧ください。 (2004年9月4日付他) 
www.rikuryo.or.jp/news

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2.早稲田大学卒業式における白井総長の式辞(2004.04)

あの9月11日、久下季哉さんは早稲田大学理工学部に在籍していました。この春、本来なら久下さんは同校を卒業したはずです。
3月25日(木)同校記念堂で行われた卒業式には久下季哉さんのお母様、お兄様が来賓として出席されました。
 白井総長は式辞の中で卒業生にお祝いを申されたあと、昨年イラクで亡くなられた奥克彦大使(1981年同校政治経済学部卒業)の業績について述べられたのにつづいて、久下季哉さんについて次のように語られました。

「今日の卒業式に際して、ここに参列しているべきもう一人の仲間を紹介しておきたいと思います。諸君は2001年9月11日のアメリカ同時テロ攻撃で、ピッツバーグ郊外に墜落した飛行機のことを記憶しているでしょう。その飛行機には当時、理工学部2年生の久下季哉さんが搭乗していました。久下さんは向学心に溢れる青年で、将来の留学に備えアメリカを訪れていた矢先の出来事でした。彼は卑劣なテロリストの攻撃に他の乗客とともに身を挺して戦いました。久下さんもまた、早稲田が誇る志 高き青年で、今日、諸君とともに卒業の日を迎えるはずでした。本日の卒業式にあたり早稲田大学は、久下季哉さんを正式に校友としてお迎えすることといたしました。

 現在、イラク、パレスチナなど世界各地で多くの困難な問題が起こっています。この二人(註:奥大使と久下さん)の早稲田人は世界の現場で問題解決のためにその身を挺したのでした。お二人のご冥福を心からお祈りし、私たちがその志を継いでいかねばならないと思います。」
(同校ホームページの卒業式おける総長式辞の掲載は終了した模様ですので、リンクを解除しました)  (http://www.waseda.ac.jp/jp/president/topics/ )

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1.久下季俊哉(としや)さん紹介

9月11日、4機目のハイジャック機、United Air 93便がペンシルバニアの平原に墜落しました。この飛行機には、乗員7名、乗客33名ハイジャック犯4名が乗っており、乗客の中には大阪府出身で早稲田大学理工学部に在学中の久下季哉さん(当時20歳)が乗っていました。カナダ、アメリカを旅行し、帰国の途中でした。                        この飛行機は乗員、乗客がテロリストに抵抗し、目的とする標的に突入させなかったとして、その英雄的な行為が高く評価されています。空軍機に撃墜されたとする説も流布されていますが、J.ロングマンの「墜落までの34分」(「7.図書、展示、その他」に紹介)では、この説は明快に否定されています。 この著書によると、全員の死亡が確認されたものの、遺体の回収率は重量で約8%にすぎず、そのうち60%は誰のものか確認できないとしています。      
                             
 この本の最終章「私の墓の前で泣かないで」の一部を引用させていただきます。                                   
「空にはあの9月11日を思わせるような、澄みきった青空が広がっていた。93便の仮設の慰霊碑を訪れた人たちが、背の高いフェンスの周囲に取り付けられた勇気と犠牲を称える感謝状を静かに読んでいた。旗竿が風にあおられて甲高い音を立てていたが、それ以外、このあたりの斜面は厳粛な空気に包まれていた。乗客、乗員40名分のベニヤ板一枚一枚に、<あなたに祈りを捧げます>とペンキで書いて、飾りに赤白青の三色リボンがあしらってあった。久下季哉を称える日の丸の旗もおかれていた。」

 この旗はお母様がホテルで苦労して作られたと聞いています。
また、この章の題になっている「私の墓の前で泣かないで」は、最近「1000の風」の題で訳され、日本でも有名になった詩の冒頭部分です。この本では遺族が供えた手紙に書かれた、アメリカ先住民の祈りの言葉として紹介されています。(2004.02) 
                                     

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